2024年12月3日
ありがたいことに古巣がドラマに出してくれた。12月11日(水)・18日(水)両日の午後11時59分から日本テレビ系列で放送される「令和の三英傑!」。去年まで私が34年間在籍した中京テレビの「開局55周年記念ドラマ」だ。
愛知県出身の戦国時代の英雄、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の「三英傑」。その末裔たちが令和の世で巻き起こす騒動をお国訛り満載で描いた作品だ。
映画「20世紀少年」などの作品で知られる名古屋出身の映画監督・堤幸彦さん原案。出演は山本舞香・岡山天音・平野綾・佐藤二朗ら豪華な俳優陣だ。
物語の内容は番組をご覧いただくとして、私が何の役を演じたのかというと、「結婚披露宴の司会者」。
撮影は6月に千葉・幕張のホテルで行われた。以前、プロ野球の取材で宿泊したことのあるホテルの大宴会場だった。
お祝いムードとはお世辞にも言えない三英傑の末裔たちのプライドが飛び交うドタバタ披露宴を仕切る司会者役が私。
これまでも映画「藁の楯」に中継リポーター役で、映画「AI崩壊」にキャスター役で出演したことはある。中京テレビ制作のドラマでタコ焼き屋のオヤジを演じたこともあった。
しかし、今回は結構セリフをいただいたことでかなり緊張した。実際、結婚披露宴の司会なら何度も経験しているから仕事の範疇ではある。
ただ、ドラマの中の司会者となると勝手が違う。司会者としての進行コメントの合間に役者さんのセリフの応酬があるため、しゃべるタイミングやテンションが難しいのだ。
役者さんの迫力と熱量ある演技の中に素人の自分が入っていくのがただただ怖かった。最初の登場シーンがピンスポットの当たった中だったことも緊張感を高めるのに十分だった。
加えて、堤幸彦監督は撮影の直前に口頭でセリフの変更を求めてくるので、覚えたコメントが大幅に変わることが頻繁にある。修正後のセリフは修飾語が加わり大抵長くなるため、ただでさえ門外漢でついていくのに精一杯の私には厳しいことこの上ないのだ。
佐藤二朗さんの瞬発力や平野綾さんの声量豊かで迫力ある演技を間近で見られたのは貴重なひと時だった。なんとかやり終えたが、どれだけ本編で使われているのか知る由もない。
ロケは2日間。私の出演部分が終わったとき、「佐藤さんの出演はここまでです」と皆さんの前で紹介され、堤監督から花を贈られたのは感激した。端役の素人にまでそんな気遣いをしてくださるなんて。ロケの弁当もおいしかったし、すべてが得難い経験だった。
堤監督と佐藤二朗さんとは、5年ほど前に名古屋の良さを再発見する中京テレビの街歩き番組で何度かご一緒した。
まさか、退社してから再びお会いできるとは思ってもいなかったので、今回、中京テレビからのお声がけはうれしかった。
「令和の三英傑!」。全国の多くの皆さんにぜひご覧いただきたい作品です。