2024年3月19日
2024年3月9日
3月9日(土)、豊橋市民球場で「第7回マスターズ甲子園愛知大会」の3位決定戦と決勝が行われた。同大会は高校野球のOBが再び母校で世代を超えたチームを結成し、地方大会を戦い甲子園を目指そうというイベントで、甲子園で行われる本大会は今年で21回目となる。
存在は知っていたが関わるのは初めて。今回は、豊橋ケーブルネットワーク「ティーズ」が全国で初めて中継することになり実況を担当した。
去年卒業した19歳以上で年齢制限はない。19校が参加し7日間の日程で行われた今大会を3日間取材したが、なかなか味のあるイベントだ。年を重ね、体型も変わり、硬式球を握ることさえ久々というかつての高校球児たちが、懐かしい母校のユニホームに袖を通しての真剣勝負。
大会独自のルールがあり基本4回までは34歳以下、5回以降は35歳以上で戦う。投手は1人2回まで。40歳以上の投手が何人もいた。往年の力を発揮し、コントロール抜群の投球で三者凡退に抑えるも、2イニング目はガス欠でヘロヘロになるのが常。
野手は老眼の影響か、飛球に焦点が合わずイージーフライを落球。カバーに慌てた選手が肉離れという悲劇もあった。
好プレーも随所に見られた。完璧なフェンスオーバー、きれいなダブルプレー、鼻を擦りむくヘッドスライディング、還暦選手のファウル連発からの押し出し四球、好返球で見事な捕殺などなど。
試合展開は読めず、セーフティーリードもない。強豪でもOBなら常勝とはならない。試合は週末に行われるが、仕事や家庭の事情で主力選手がいつも出られるとは限らない。私の幼馴染があるチームのメンバーとして大会パンフレットに載っていたが姿を見せなかった。電話したら「親の介護で…」欠場とのこと。若手は「決勝の日は会社のイベントがあって…」というケースも。
今大会は比較的35歳以上も若い選手が多かった時習館OBが初出場初優勝。独特の書体で「時習」と書かれた伝統のユニホームを再び着たOBが優勝決定の瞬間、歓声を上げて全員がベンチを飛び出した。
私は愛知県立昭和高校出身。野球部ではなかったが、野球部員に仲のいい友人が多く夏の大会は全試合応援に行った。3年生の夏の初戦、半田球場で当時強豪だった津島高校と戦って4-2で勝った試合は私が見てきた高校野球の試合で最も興奮し感動した試合だった。
母校はマスターズに参加していないが、津島OBが出ていた。名簿を見ると同世代が2人いた。話しかけると昭和との一戦に出ていた当時の主将と二年生だという。44年前に同じ場所にいた者同士の嬉しい「再会」だった。
甲子園での本大会、2024年は11月9日(土)・10日(日)に行われる。今回は学校単位ではなく、各県代表チームを結成し出場。愛知県代表は初日の開会式直後の第一試合で埼玉県代表と対戦する。