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「ピカイチ名古屋チャンネル」は元旦から新シリーズ発信!

2025年12月31日

 2024年の元日に独立した私は、この2年、YouTube番組「ピカイチ名古屋チャンネル」に出演しています。

 名古屋にある創業60年の中国料理「ピカイチ」。繁華街・今池の一角にある老舗店です。ただの人気店ではありません。先代店主・兵頭洋二さんが星野仙一さんと懇意だったことからこのお店はドラゴンズファンの聖地になっています。選手のユニホームやサイン色紙、写真やポスターが壁いっぱいに貼られている店内。ドラゴンズの調子がいいと店内のボルテージも上がり、マスコミの取材も増えます。名古屋でライブを終えたミュージシャンが打ち上げに訪れることも数知れず。店は全国的に有名なのです。

 先代の跡を継いだ「ピカイチ」店主・兵頭忠保さんが、「これまで来店してくれたドラゴンズファンに何か還元したい」という思いから2020年の夏にスタートしたのがYouTube「ピカイチ名古屋チャンネル」。

 きっかけは名プレーヤーの急逝でした。2020年1月17日、ドラゴンズの名二塁手として知られ、2度の監督経験のある高木守道さんが78歳で死去。「プロ野球の一時代を築いた功労者のキャリアを知り、エピソードをもっと聞いておきたかった、残しておくべきだった」と感じた忠保さんがYouTubeでの発信を考えたのです。

 元高校球児の店主がこれまた元球児のテレビマンと組んで始まったこのチャンネル。ファンになじみの元プロ野球選手が店内奥の大広間で珠玉の秘話や現役選手へのエールに花を咲かせます。収録は平日の営業が始まるまでの時間で行われます。動画を見たお客さんが「ココってもしかしてあの・・・」と収録している部屋の写真に収めて帰ることもあるそうです。

 開始から5年、当初MCを務められたのはCBCで長年「サンデードラゴンズ」の顔だった久野誠さん。今は私が担当させていただいています。実はこのチャンネルに中京テレビの局アナ時代、一度出演しています。2022年3月、立浪和義前監督の1年目。東京ドームで行われるその年の開幕カード「巨人中日戦」を中継するため、立浪新監督の初陣を盛り上げようとピカイチと中京テレビのコラボが企画されました。私がかつてドラゴンズを応援する「スポーツスタジアム」という番組のMCをしていたことで、異例の出演となったのでした。

 そのときのご縁で、フリーになってからお受けしたMCの仕事。毎回収録はゲストのトークに笑ったり驚いたりの楽しい時間になります。私がアナウンサーを目指した理由は2つ。「テレビのスポーツ中継ばかり見ている家だったから」と「テレビに登場する有名人に会いたいから」というもの。そんな自分にとって、「ピカイチ名古屋チャンネル」MCはとてもありがたい仕事です。テレビで、スタンドで、取材者として見ていた名プレーヤーらと共演できるのですから。

 局アナ時代、生放送の担当が多かった私は「時間内にコンパクトに収める」という制約が一番のミッションでした。YouTube収録にはそれがありません。ゲストの都合が許せば昼頃に開始してから店の開店直前まで収録が3時間を超えるときも。じっくり話が聞けるのです。

 ゲストは私がドラゴンズの取材に頻繁に行っていた時代の顔なじみもいれば、初めてお会いする元選手も。「ピカイチ名古屋チャンネル」は大抵2人のゲストと私で展開します。ゲストの選定は制作スタッフ、店主、私も含めての話し合いや関係者からの紹介で決めます。ドラゴンズ在籍経験者中心ですがそうでない人にもお声がけしています。トーク内容は「あの試合の真相」や「選手・指導者の心情」、「ドラフトやトレードの裏側」など。ゲストの記憶から「とっておき」を引き出すのが私の役割です。

 ゲストの皆さんはプロ野球の一時代を築いてきた猛者ばかり。田尾安志さん&平野謙さんは1982年ドラゴンズ優勝時の1・2番コンビ。「打線が固定されたチームは強い。試合展開のイメージを持って球場入りしていた」と言い切りました。

 前田幸長さん&荒木雅博さんは共に高卒ドラフト1位で入団し、1996年に前田投手トレード入団でチームメートになった先輩後輩。中尾孝義さん&都裕次郎さんは1982年の優勝を支えたMVPとチーム最多勝投手。

 ギャオス内藤さん&川崎憲次郎さんはスワローズ時代からの仲のいい先輩後輩。故障に苦しんだドラゴンズ時代の苦悩を川崎さんが振り返りました。彦野利勝さん&中村武志さんは昭和から平成にかけてチームを支えた寮生時代からの間柄。高橋慶彦さん&牛島和彦さんは技術と頭脳で戦った好敵手でした。

 山﨑武司さん&ギャオス内藤さんは愛知出身の同級生。井上新監督率いる2025年のドラゴンズとセ・リーグを大胆予想。「阪神最下位」と書き込んだギャオスさんのウケ狙いを超えた暴挙が波紋を広げたました!?

 さまざまな「当事者コンビ」も花を添えてくれました。ドラフトで狙ったスカウトと期待に応えた高校№1投手の師弟コンビ・法元英明さん&牛島和彦さん。トレード当事者がピカイチで対面・中尾孝義さん&西本聖さん。

 高校野球ファンが喜んだ「中京高校Wエース還暦の再会」・野中徹博さん&紀藤真琴さん。当事者が語る「中京最強伝説」は出色の還暦同窓会となりました。

 レジェンドと江川キラーが「打倒巨人」を回顧した谷沢健一さん&豊田誠佑さん。実力ある同級生二人が抜群の記憶力で珠玉のエピソードを繰り出した山本昌さん&紀藤真琴さん。意外にも守備で惹かれ合った二人の「強竜回想」は中村紀洋さん&荒木雅博さん。

 皆さんと話していて感じること。それはプロ野球という厳しい世界で結果を残してきた方々の話には「凄味」や「まさか」や「へぇ」や「なるほど」があるということです。

 かつて「ズームイン‼朝!」を担当していたころ、「テレビ番組には『ハヒフヘホが大切』だ」と教わりました。

 ハァ⇒「すばらしい」という感動、 ヒィ⇒「大変そう」「難しそう」という怖れ、 フゥ⇒「どうしたらいいんだろう」という疑問、 へェ⇒「初耳だ」という驚き、 ホォ⇒「感心だなぁ」 という敬意。 

 リポートにそういった要素が入っているかどうか。それがなければ人々が職場や学校、日常で話題にしない・・・。動画制作においても重要なポイントです。

 私はプロ野球で活躍してきた皆さんをリスペクトしながら、奥深さや未知の情報を話してもらえるよういろんな角度から質問をぶつけます。また、補足コメントを手短に挿入し内容をわかりやすく進行する役目もあります。

 YouTube番組といえば忖度なしのぶっちゃけトークが売りですが、「ピカイチ名古屋チャンネル」は「暴露話よりとっておきを」というスタッフの制作方針で動画が作られています。

 小学5年生のときから半世紀以上プロ野球を見続けてきた私にとって、「ピカイチ名古屋チャンネル」は自分のミーハー魂を満たしてもらえる貴重な場。これからも多くのファンの皆さんに楽しんでいただきたいと思っています。

 現在配信中のシリーズに出演されている杉本正さんとは収録日が初対面でした。「田尾さんのトレード相手」というプレッシャーの中、ドラゴンズでの経験を「名古屋は最高でした」と懐かしむ紳士然とした語り口が聞かせます。

 そして、新年一発目は福留孝介さんが初登場。「名古屋のお兄ちゃん」と慕う山﨑武司さんとの共演です。動画配信にはあまり出演しない福留さんのトークをお楽しみに。新春25分スペシャルは2026年1月1日午前0時に配信を開始します。お楽しみに!