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中学校、2つのスタイルの「職業体験」授業

2024年10月4日

 9月に名古屋市内の2つの中学校で講演しました。テーマは2校とも「職業」。私の中学時代にはなかった「職業体験」が今は授業で行われます。

 最初の学校は私が中一の三学期から卒業まで過ごした母校・名古屋市立久方中学校。先生方が学校近くのいろんな業態の職場に受け入れをお願いし、グループ分けした生徒が実際に行って仕事を体験するという方式です。中学時代、ウチの娘は美容室、息子はスーパーマーケットでお世話になりました。

 講演会場は2年生100人が集まった体育館。私のアドバイスはまず「挨拶」です。生徒たちにどんな挨拶があるか考えてもらうことから始めます。「おはようございます」、「こんにちは」、「よろしくお願いします」、「いらっしゃいませ」などなど。また、挨拶以外にもどんな言葉が職場で必要か想像してもらうのです。「ありがとうございます」、「失礼しました」、「少々お待ちください」…。いろいろ出てきます。こんな問いかけをしてみました。「せっかく職業体験にいったのにあまりやることがなかったら何て言おうか?」。ある男子生徒は少しだけ考えて「何かお手伝いすることはありませんか?」と見事に正解を言ってくれました。

 親や親戚、先生以外の大人とはまだあまり接点がないであろう中学生が「仕事の現場」に行くのは緊張するでしょう。体験先が客商売のお店であれば不特定多数の人と触れ合うことになるのでなおさらです。

 そんな中で速やかに現場に溶け込むためには「まず、みんなからの元気な挨拶です」と結びました。後日学校から届いた感想には「挨拶は誰にも負けないくらいの声量で元気にやりたい」と意気込みを書いていた生徒もいました。

 翌日は名古屋市立若葉中学校での「職業体験」。ここは色々な職業の社会人が学校に来て仕事内容を説明する方式だった。大工さんや自衛隊員、ドローンを操作する人もチームで来ていました。生徒は15人ほどのグループに分かれて2種類体験するシステムです。

 アナウンサーである私はニュース読みやリポートのやり方を講習。「印象に残る15秒自己紹介のやり方」といった発表形式のワークショップを行いました。生徒が積極的に取り組んでくれて笑いの絶えない楽しい時間でした。

 ここでは「趣味」や「推し」などを盛り込むとき、何か一つだけ具体的に形状や固有名詞を入れると聞く側の印象に残るものになるというアドバイスをしました。すぐに対応できた生徒もいて感心させられました。

 テレビやネットでいろんな映像に触れているからか、自己紹介では趣味や嗜好を手短に説明してリズムよく自分を表現できる生徒が珍しくありません。私の世代と比べると、今の中学生の方が圧倒的に器用だと感じました。

 両校ともみんな真面目に受講してくれたことに感謝しつつ、自分の中学時代の級友たちの顔を思い出しながら帰路につきました。