2024年5月15日
4月、母校で講演をしました。名古屋市立久方中学校です。46年前に卒業証書を受け取った体育館で、1年生83人に5時間目の授業として45分間話しました。
1年生ですから、ほんの1か月前まで小学生だった子どもたちです。環境が大きく変わるなかでこれからの中学校生活をどう充実させるか。第一歩として「友だち作り」について話すことにしました。
テーマは「まず話しかけてみよう」。会話しないことには始まりません。そのきっかけを自分たちで考えようという取り組みです。
名古屋市は市立小中高校と特別支援学校にキャリアナビゲーターを配置しています。国家資格「キャリアコンサルタント」の取得者です。学校に常駐し子どもが社会的自立に必要な能力や態度を育て、自分らしい生き方を実現するキャリア教育を推進する役割を担っています。
担当の先生、キャリアナビゲーターの方と考えた内容はこうです。
それだけです。
83人分の「好き」が集まれば、「いまどきはそうだろうな」や「なんだろう、コレ」もあります。私の知らない「人気キャラクター」を書いた生徒がいました。その魅力を教えてもらおうとマイクを向けるのです。少し恥ずかしがりながらも自分の好きなモノを説明してくれました。
小さい時から習っていた「新体操」と書いた子がいて早速身体の柔軟性をみんなの前で披露してもらい喝采を浴びていました。
次にもう一回、付箋です。「仲良くなりたい人に話しかけるとしたらどんなこと?」を書いてもらい、またみんな前に出てホワイトボードに。
「ゲームは何が好き?」が多かったですね。「こんにちは!」なんていうのもありました。
実はこれが欲しかった回答。同じクラスになっても出身小学校が違えばまだ会話できていないクラスメートもいるでしょう。転校生ならなおさらです。
私が勧めたのは「一回もしゃべったことのない人に『おはよう!』って言ってみよう」です。「ねえねえ、君んちは朝ごはんってご飯?パン?」でもいいんです。会話のきっかけになればなんでも。
私の中学生時代の話もしました。1年生の3学期、関西から転校してきた自分が比較的早くクラスに溶け込めたのは「向こうの教科書は違うの?」などと話しかけてくれる子がいたからです。
東大阪市立小阪中学校時代、同じマンションに住む同級生と2人で沖縄国際海洋博覧会にフェリーに乗って行くという「中1の大冒険」もしました。その友だちとは今も連絡を取り合っています。
今年のゴールデンウィークは関東で8日間自由に過ごしましたが、横浜や千葉に住む久方中学時代の友だち2人とそれぞれ会いました。
「今、みなさんの周りにいる仲間は、一生付き合える友人になるかもしれないよ。私はそんな友だちが61歳になった今、何人かいます。楽しいものです。だからまず話しかけてみよう!」
こう結んで懐かしい母校を後にしました。