今年一年、ありがとうございました!(2) - 佐藤啓 公式WEBサイト

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今年一年、ありがとうございました!(2)

2024年12月30日

 私が「独立したらやってみたい」と思っていた仕事がラジオでした。中京テレビはラジオとの兼営局ではないので当然、出演する機会はありませんでした。2023年6月、親交のある芸人・タブレット純さんがパーソナリティを務めるラジオ日本の「タブレット純 音楽の黄金時代」にゲストで呼んでいただく機会をいただきました。初めてラジオの楽しさに触れ、その思いは強くなりました。

 3月のCBCラジオ初出演は中学生時代から同局に親しんできた私にとって「夢がかなった」ひと時でした。1月、ナゴヤ球場での取材中、CBCの若狭敬一アナから直接声を掛けられ実現。中京テレビ時代の様々な体験を2時間近くしゃべらせていただきました。若狭アナは13歳年下ですが、話題を見事に引き出しながら展開する番組進行を間近に見せてもらい、目を見張りました。

 中京テレビでいっしょに仕事をした桐生順子さんや高校・大学の後輩・加藤里奈さんといったラジオで活躍する知り合いも「応援」に来てくれました。ラジオでまたしゃべることができればうれしいですね。

 おしゃべりといえば初めて進出したYouTube番組の収録が毎回とても楽しみなんです。ドラゴンズファンが集まる店として知られる名古屋・今池の中国料理「ピカイチ」がお客さんへの恩返しにと始めた「ピカイチ名古屋チャンネル」。ドラゴンズOBを中心とした元プロ野球選手が「栄光」や「暗黒」の現役時代を振り返るトークバラエティのMCを務めています。

 私のMC担当回にはこれまで田尾安志さん&平野謙さん、前田幸長さん&荒木雅博さん、中尾孝義さん&都裕次郎さん、ギャオス内藤さん&川崎憲次郎、彦野利勝さん&中村武志さんにご出演いただき、鼎談させていただきました。

 報道陣の端くれで、半世紀を超えるミーハー野球ファンである私にとって、かつての名プレーヤーの皆さんとお話しできる機会は喜び以外の何物でもありません。プロ野球OBのYouTubeトーク番組は飽和状態ですが、2025年も新鮮な顔合わせにチャレンジして皆さんに楽しんでいただけるよう、スタッフ共々取り組みたいと考えています。

 中京テレビ時代に最ものめりこんだ仕事がボクシング中継でした。30年前に初めてお世話になった名古屋の緑ボクシングジム(現LUSH緑ジム)は今年創立50周年。

 7月、その記念パーティーMCの仕事をいただきました。同ジム出身の元世界王者・飯田覚士さんや戸髙秀樹さんと久々の再会。OBトークショーでは懐かしい話が次々と披露され会場を沸かせました。

 10月、所属する矢吹正道選手が世界王者に返り咲く試合を観戦し、またいずれボクシング実況をしたいと切に感じたものです。

 水泳の五輪メダリスト・松田丈志さんとの9月のトークショーも印象深いイベントでした。サービス精神旺盛で理路整然と、しかも面白く自らのこれまでを語る松田さんに感心しました。「一流」の方と場を共有することは本当に勉強になりますね。いくつになっても新鮮です。

 体験談を披露する講演の場もいただきました。2つの大学、3つの中学校、小学校PTAのセミナーなどの教育現場や異業種交流会です。「友だちとのコミュニケーション」、「さまざまな経験による人格形成」、「旅」、「不思議な出会い」、「アナウンサーとしての道のり」、「15秒自己紹介のコツ」など、テーマは学校サイドと打ち合わせしてニーズに合わせていきました。母校の名古屋市立陽明小学校PTAと久方中学校に呼んでいただいたことは、この仕事に就いたからこそだと有難く受け止めています。

 フリーという立場になった今年。多くの人々と新たに出会い、新しい経験をさせてもらった一年でした。会社員時代と違い、経費管理や請求書の作成など慣れない作業がうまく行かずにバタつくこと数知れず、というのが偽らざる感想です。

 環境が変わったことで「よくないこと」もありました。秋以降ほとんど「会社」という組織に行かなくなり、テレビ局では当たり前だった若いスタッフや同僚と雑談する機会が激減してしまったことです。妻としか会話しない日も結構あります。

 テンポよくしゃべること、冗談を言い合うこと、いろいろな表現で相手に伝えることは日々何気なく繰り返すことで磨かれます。言葉を口に出す感覚を失わないために、局アナ時代の50代後半から心がけてきた「新聞の音読」を今年からより時間をかけて日課にしています。今、使われている言葉を声に出し、「老化を先送りする」しなければなりません。

 2002年元日から始めた日記も23冊目を書き終えようとしています。